川合信水

山月御教話・続編(十一) 人に対する基督(キリスト)

基督の心第三〇五集より石田秀夫先生筆録昭和十年五月十九日 於 東京教会 前二回に亙(わた)り、『神に対する基督』を話したが、今朝(こんちょう)は『人に対する基督』について、諸君とともに考えてみたい。 基督が人間に対して要求された事は、 第一...
川合義信

ヤコブ書講話(一)第一章 試練について

ヤコブ書の第一章を中心に、二、三回の予定で、試練に関してのヤコブの教訓をお話ししたいと思います。まずこの書の著者でありますが、聖書にはヤコブという名が三つ出ております。(一)は「ゼベダイの子ヤコブ」で、使徒ヨハネの兄弟でありました。ヨハネと...
川合信水

訓辞 大正十四年七月五日 誠修学院本館落成式

今日のこの喜ばしき落成式に臨み、諸君と共に深く考えてみたいと思うことは、誠修学院は一体どこに在(あ)るのかということである。「ここにちゃんと在るではないか」、そんな平凡な答えは求めていない。 古(いにしえ)の聖人は「汝自身を知れ」(ソクラテ...
川合信水

婦人美(一)

大正十一年四月十六日 於松江高等女学校 女学生・婦人会員のに  今日は婦人美ということについてお話し致したいと思います。  現今、世上に婦人問題を論ずる者は多いのですが、真の女性の(=天性)をえ、また神が女性をこの世に造り給うたを深く理解し...
川合信水

基督の心 第二九四集 「完全の道」通算三〇三号 吾が実験の神(三)

「愛」の一面に固く拘(こう)して僻(へき)する時は、 (一)は狎(な)れ泥(なず)んで罪を犯すことを恐れず、熱心な信仰を有しつつ平然と不道徳を行ない、「このような罪人であればこそ、如来(にょらい)の慈悲に摂取せられる」などとうそぶき、世人に...
川合信水

事業と労働(五)

大正十三年十一月十九日 於大阪毎日新聞社 (五)協力  どうしたら社内がよく協力出来るかと質問されます。 私どもは《誠》の上に立って、《完全》を理想として進む方針でやって来ました。これによって全社員の目指す方向が一つになりますから、誰もが協...
川合信水

事業と労働(四)

大正十三年十一月十九日 於大阪毎日新聞社  世間では、義務を無視して権利を主張し、(労使の)調和を《無自覚》と謗(そし)り、分争(ふんそう)を《自覚》と称(しょう)する者がありますが、私どもはそんな考えに賛同することは出来ません。キリストは...
川合信水

事業と労働(三)

大正十三年十一月十九日 於大阪毎日新聞社  私が東京から丹波(たんば)(=郡是(グンゼ)本社があった)に参りまして、ちょうど十六年になりますが、今では労働時間が短縮されて、一日十一時間くらいですが、あの当時、関東の有力な製糸工場では、十五・...
川合信水

事業と労働(二)

大正十三年十一月十九日 於大阪毎日新聞社  諸君もお聞きになったでしょうが、欧州戦争(=第一次世界大戦)の時、英国では戦場に出た男子に代わって婦人が外に出て働いた。すると週に三十円(=約9万円)の賃金が得られた。ところが戦争が終わって夫が帰...
川合信水

事業と労働(一)

大正十三年十一月十九日 於大阪毎日新聞社  私は大阪毎日新聞の読者の一人でありまして、今晩ここに参りまして、この新聞を経営なさっておいでになります社長(=本山彦(もとやまひこ)一(いち)氏。後に東京日日新聞を合併して、今日の毎日新聞の基(も...