事業と労働

川合信水

事業と労働(五)

大正十三年十一月十九日 於大阪毎日新聞社 (五)協力  どうしたら社内がよく協力出来るかと質問されます。 私どもは《誠》の上に立って、《完全》を理想として進む方針でやって来ました。これによって全社員の目指す方向が一つになりますから、誰もが協...
川合信水

事業と労働(四)

大正十三年十一月十九日 於大阪毎日新聞社  世間では、義務を無視して権利を主張し、(労使の)調和を《無自覚》と謗(そし)り、分争(ふんそう)を《自覚》と称(しょう)する者がありますが、私どもはそんな考えに賛同することは出来ません。キリストは...
川合信水

事業と労働(三)

大正十三年十一月十九日 於大阪毎日新聞社  私が東京から丹波(たんば)(=郡是(グンゼ)本社があった)に参りまして、ちょうど十六年になりますが、今では労働時間が短縮されて、一日十一時間くらいですが、あの当時、関東の有力な製糸工場では、十五・...
川合信水

事業と労働(二)

大正十三年十一月十九日 於大阪毎日新聞社  諸君もお聞きになったでしょうが、欧州戦争(=第一次世界大戦)の時、英国では戦場に出た男子に代わって婦人が外に出て働いた。すると週に三十円(=約9万円)の賃金が得られた。ところが戦争が終わって夫が帰...
川合信水

事業と労働(一)

大正十三年十一月十九日 於大阪毎日新聞社  私は大阪毎日新聞の読者の一人でありまして、今晩ここに参りまして、この新聞を経営なさっておいでになります社長(=本山彦(もとやまひこ)一(いち)氏。後に東京日日新聞を合併して、今日の毎日新聞の基(も...